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金刀比羅宮 書院の美 1

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1368段がしんどくなかったのは
きっとこのせいだ。
楽しみでしょうがなかった。

階段を少しあがるとある高橋由一館で
田窪恭治さんの椿をみた。
有田焼の白磁に真っ青な色で椿がみっしりと描かれている。
線画になっているのは冬の白椿を表しているからだそう。
これからオープンする茶所の壁を彩る。
後期、もう一度行くなら絶対行くつもり。
予約制のフレンチもあるそうなので楽しみだな。

さらに階段をゆくと待望の書院。
重要文化財の表書院の公開はあるものの
奥書院や白書院はほぼ非公開。
そしてそこに今回、私の目的はある。
表書院では円山応挙の『鶴の間』『虎の間』
『七賢の間』『山水の間』を堪能した。
実物を初めて見ることができた『遊虎図』には感激!
虎を観たことのない応挙が
口伝で知り、イメージを膨らませて描いた虎。
正直、ほんとかわいい。丸くて大きな猫のよう。
一匹いる彪は虎の雌をイメージして描かれたものらしい。
仕事先の応挙好きな社員さんに
前々から話を聞かされてはいたけれど、
ほんと かわいいなぁ。
『山水の間』は『瀑布古松図』の滝が見事で
横にある窓から覗くとこちらに向かって
水が流れてくる様が迫力よく伝わってくる。
またその流れが庭にある池に続いているように
作られているのがまたまたすごい!
表書院の90面もある障壁画が
55歳と62歳のときのものだなんて
パワフルだなぁ、応挙。

表書院から奥書院へと続く廊下で出会ったのは
伊藤若冲『花丸図』の障壁画。
きれい。ほんとにきれい。
本来は和紙に描かれたものを
保護する意味で金砂子撒にされていて
華やかさが増しているように思えた。
あんまりにも綺麗でうるっとしてしまう。。。
花や葉の色が色濃く、
よくまあここまできれいに残っているものだと思った。
非公開にしている訳はそこにもあるんだろう。
空気に晒されるとふわっと花図が宙を舞って
はがれてしまいそうな繊細さ。
多分二枚の襖を前に30分ぐらいいたかもしれない。
案内役のボランティアさんも最初はいろいろ話しかけて
きたけれど、あんまりにもじっと観るので
そのうち声も無くなった。
朝顔の青が染みるぐらいきれい。
チャイニーズブルーというのかジャパンブルーというのか、
濃く青いのに艶やか。
紫陽花の蒼も瑞々しくてきれい。
白牡丹や白木蓮の花弁がうっすらと地の色をみせるほど透けていて、
薄い繊細なはなびらを感じさせる。
ようやく先に進んでみたものの
先には上段の間で三方を
若冲の花丸図に囲まれた場に出会う。
ここに本来なら先ほど観た二枚の襖が
四方目にくるんだ。
想うだけで、ほんとに涙が出てきた。
なんて贅沢な間だろう。
この人は、なんてひとだったんだろう。
描くことにまっすぐなひと。
私にはそう想えてならない。
できることなら同じ時代を生きてみたかったとも想う。
会って話をしてみたい。
そばで描いている様を観ていたい。
盲目な恋のようです。。。笑。
ここにも結局30分以上居たと思う。

すぐ隣の間は『菖蒲の間』
勉強不足ですいません。岸岱さん、初めて知りました。
『水辺花鳥図』もさることながら『群蝶図』が見事でした。
琴平在住だった方の蝶の標本から描かれたもので
一種を除いて、実際に琴平にいた蝶が描かれているそうです。
虫を観るのは苦手だけれど、
群れて飛ぶようすはとてもきれいでした。
次の『柳の間』も
緑濃く、ちょっとした風にざわっと揺れている一瞬を
切り取ってきたようで水の匂いがしそうでした。
開け放たれていた襖だけ水の色が濃く残っていて
ここが実際に使用されていたことをうかがわせます。

ここまででかなりの時間を過ごし、
胸をいっぱいにしていたのですが最後に白書院。
いよいよ田窪恭治さん。
は、次回につづく。。。

by juri_ri | 2007-10-17 22:38 | アートなご案内
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