人気ブログランキング | 話題のタグを見る

円空展

円空展_c0063808_13202761.jpg
京都大丸で、5月24日まで行われている
『円空展』に行ってきた。
かなり前から美術館などに置かれていたフライヤーを見て
ずっと「行きたい!」と言っていた彼と念願の入場。

全国を巡る僧として、訪れた各地で民衆を苦しみから救うため、
円空仏を刻み歩き、生涯で12万体といわれる作品を生み出している。
現存している数は全国で約5200体。
そのうちの約140体を観ることができた。
とてもちいさな仏像・神像から大人の大きさぐらいのものまで、
どれもたいへん優しいお顔をされている。
木の形に添って少し体を傾けられていたり、
朽ちた木の表情そのままを活かして彫られていたり。
それだけで真から優しい方が創られたものだと想う。
最初は「これが、かの有名な円空仏様かぁ。」と思って見ていたが、
そのうち、こうしてただ作品としてみていることに恐縮を覚えた。
展覧会のチケット裏には
『約140体の優品を厳選し、
円空が庶民の信仰を形にした様々な像の芸術性に迫ろうとするものです。』
とあった。
それを見て、少し淋しい気持ちになる。
とても純粋な人が祈りを込めて創り、
人々がただ純粋に信仰し、祈りを捧げる。
ただそれだけでいいんだと思う。
確かに、素晴らしい作品なので見たい!
と思いやって来たし、
全国に散り々あるものを一度に一気に観れるのは、
たいへん嬉しいことなのだけれど、
商業ベースでの展覧に淋しさを感じた。

それでも、「それでもいいんだよ。」とおしゃってくれるだろうか?
慈愛の微笑みが、ただただ私の気持ちを和らげていく。


by juri_ri | 2005-05-23 14:27 | アートなご案内
<< DISCRETEということ 紙・paper・パピルス! >>